1994年、マンチェスターの灰色の空の下、生まれた奇跡のひとつがOasisだ。このバンドは、サッカー熱と音楽のエネルギーが交錯する都市、マンチェスターでそのキャリアをスタートさせた。そのため、Oasisとマンチェスター・シティの関係は、単なるファンダムにとどまらない、深い文化的な繋がりを持っている。ギャラガー兄弟の荒々しいメロディが響き渡る街で、スカイブルーが熱狂の渦を巻き起こす。彼らの音楽とシティの成功が織り成す物語は、まさにこの街の表現の象徴である。
1996年に当時本拠地のメインロード・スタジアムで2日間、2005年にはシティ・オブ・マンチェスター・スタジアム(現エティハド・スタジアム)にて3日間のライブを開催し、連日超満員の中、大合唱が響き渡った。
兄弟共にスタジアムで一般人に混ざり観戦している姿を度々確認できるほど筋金入りのサポーター。幼少期にシティの練習場近くに住んでおり、自然と心のクラブになったという。嫌いなものは?の質問に兄弟揃って「マンチェスターユナイテッド」と答える。1996年には低迷していたクラブに約10億円を寄附するなど熱心に後押しした。ノエルはチャントを歌うわけでもなくじっくりと観戦するスタイルのようで、周りがポズナンダンスをしている中、それに加わらずに一人で静観している場面が注目された。逆にリアムは2012/13CLグループリーグのレアル・マドリー戦、敵地サンティアゴ・ベルナベウで騒ぎすぎて警官に注意され退席したこともあり対照的な観戦スタイルのよう。
自由奔放な立ち振舞いや世間を騒がせる過激な発言に加え、作曲担当のノエルが作る力強くも繊細で、それでいて誰もが口ずさめるメロディにリアムの持つ唯一無二のヴォーカルが乗るとまさに無敵状態。聴く人の気分を高揚させてくれるその楽曲たちはサポーターの心をガッチリ掴んでおり、スタジアムでは歌詞を載せた横断幕やバナーがよく見られる。労働者階級出身ながら頂点まで成り上がったギャラガー兄弟のサクセスストーリーに当時低迷していた愛するクラブを重ねていたのかもしれない。(Some Might Sayという歌の中にある「We Will Find a Brighter Day」という詩は長く続いた低迷期から頂点に登り詰めたシティにぴったりと言える)またエティハド・スタジアムで勝利時に流れるWonderwallは定番となっており、ビッグマッチ後の大合唱は圧巻。選手たちにも浸透しており、タイトル獲得後にロッカールームで歌われている姿も良く見られる。ノエルが訪れて選手と共に歌ったことも。とにかく歌うのが大好きなイギリス人とoasis、そしてフットボールの調和性は完璧で、スタジアムだけにとどまらず試合前後のトラムやパブで大合唱になっている姿をよく見かける。
順風満帆な音楽的成功の裏では兄弟喧嘩が絶えず、幾度となく解散の危機が訪れており、ついに2009年8月、ライブ前にリアムがノエルのギターを破壊し最大級の兄弟喧嘩が勃発。バンドは事実上の解散を迎える。10/11シーズンFA杯優勝、そして11/12シーズンPL優勝から続く大躍進期間は残念ながら兄弟別々の活動をしていたが、悲願のCL初優勝から1年後、待望の再結成のアナウンスが。2025年にはマンチェスター公演を含む大規模世界ツアーが決定している。低迷期からクラブを愛した世界一の兄弟が世界一に登り詰めたマンチェスターシティと再度共に生きる。
Oasisとマンチェスター・シティの関係は深い絆をもっている。音楽とサッカーという二つの情熱が融合することで、マンチェスターはかつてない活力を得た。未来永劫、彼らの影響は消えることなく、次世代にも語り継がれていくだろう。音楽が奏でる旋律とゴールを決める歓声が、永遠にマンチェスターで輝き続け新たな伝説を築いていくに違いない。